マサキの部屋

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番組最大の危機!?衝撃の前後編 特捜ロボ ジャンパーソン 第29、30話について

※今回は前後編のため、2話まとめて語ります。

第29話「英雄死すべし!!」

第30話「爆裂!!最期の魂」

1993年8月15、22日放送 脚本:中野睦 監督:三ツ村鐵治

細川兄弟は、父親の細川博士が開発した全てのロボットを破壊する最終兵器・ジーザスエンドを完成させるために、ネオギルドのロボットを襲って、そのパーツを売り、資金を集めていた。その事実を知らないジャンパーソンは、ネオギルドに報復を受ける細川兄弟を助ける。しかし、ガンギブソンはそんなジャンパーソンにフォーミングブリットを放った!!細川兄弟のジーザスエンドと、ネオギルドに協力するガンギブソン。事態は混乱を極める・・・。

英雄死すべし!!

英雄死すべし!!

  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: Prime Video
 
爆裂!!最期の魂

爆裂!!最期の魂

  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: Prime Video
 

今回は前後編で、登場する組織はネオギルド。ギルゴードン、シルバレラ、ギルブラッカーが登場し(予告編では幹部ロボット総出演と言っている)、首領であるジョージ真壁、自ら陣頭指揮に立っている。そう、ネオギルドも総動員でかかるくらいの一大事なのだ。さらにはネオギルド=真壁と、あのガンギブソンが一時的に協力するという、すごい展開である。

今回のゲストキャラクターは、物語の主軸となる最終兵器・ジーザスエンドの完成を急ぐ細川兄弟である。兄・浩司(18歳)と弟・正志(11歳)は、ロボットハンターとなり、ネオギルドのロボットを襲って、そのパーツを売り、資金を調達していた。そもそもジーザスエンドは父親の細川博士が開発したものであった。だが、細川兄弟は強大な組織ネオギルドのロボットに手を出しているので、真壁にその動きを察知されていた。真壁はこのままジーザスエンドが完成し、作動されてしまうと、ネオギルドを含めた全ロボットが破壊される運命となるため、ここは何としても阻止しなければならなかった。そのためには、今は敵対関係にあるガンギブソンジーザスエンドの存在を知らせ、共闘を持ちかけたのだ。キャロルの仇・ネオギルド=真壁に対し、ガンギブソンは一時的に協力する。

ジーザスエンドは特殊な電磁波を発生させて、ロボットの生命チップを破壊する兵器である。その電磁波を衛星によって増幅させ、日本全土に降り注ぐ仕組みとなっている。

これは余談だが、今回から真壁の使用する武器の黒いライフルは、Vガンダムビームライフルの玩具の流用らしい。

そして今回判明するのが、ジャンパーソンは独善的なヒーローであるということだ。多分、その行動は賛否を生むだろう。

正義って何だ?あいつのことさ

「正義のために」作詞:山川啓介 作曲:浜圭介 編曲:若草恵 歌:大矢晋

「ジャンパーソン」には「正義のために」という挿入歌がある。そのワンフレーズによると、正義とはアイツ=ジャンパーソンということだ。まさに絶対正義である。

細川兄弟がロボット軍団=ネオギルドに憎悪を向けている原因は、ジーザスエンドの研究を進めていた父親・細川博士を真壁によって殺害されていたからだった。真壁は細川博士のジーザスエンドを恐れていたのだ。そして、真壁は細川博士に成り代わった潜伏用ロボット・カーマンを差し向ける。しかし、その正体を見破られ、カーマンは細川家の研究室の檻に幽閉されていた。

ネオギルドによって父親を殺された細川兄弟は全てのロボットに憎悪を向けるようになった。

ジャンパーソンとかおるは浩司に善良なロボットまで巻き込むなと、それにロボットにも命はあると説くが、浩司はまったく耳を貸さず、逆に人間がロボット、ネオギルドに支配されようとしていると反論。

浩司「間違った科学の進歩なら、元に戻さなくちゃいけない。人間自らの手で。ところが人間は、まだそこに気がついてない。そんなことで俺達の未来があると思うのか?」

ジャンパーソン「その通りだ。私ももっと、人間に立ち上がって欲しい!」

浩司「分かってないな、ジャンパーソン。なぜ人間がそこに気が付かないか・・・。それはあんたがいるからさ!」

ジャンパーソン「!?」

浩司「あんたが活躍すればするほど、人間はあんたを頼りにして何もしなくなるんだ。ジャンパーソン、あんたが本当に人間のことを考えるなら、あんたがいなくなるのが一番いいのさ!ロボット全部、この世からいなくなるのが一番いいんだ!」

これは極論だが、番組の根底を揺らがせる問題提起である。

ロボットを恨む者に、番組の根幹を揺さぶるような問題提起を仕掛けかせるのは、いい意味でなかなか意地悪だ。「特捜ロボ ジャンパーソン」はロボットが主役だが、前作の「特捜エクシードラフト」は主役の人間がアーマーを着込んで戦っていた。だからこそ、今回のエピソードは主役がロボットだから成立するのである。

細川兄弟は未完成のジーザスエンドを作動させる。ジャンパーソン、ガンギブソン、ネオギルドのロボット達はダメージを受けたが、致命傷には至らず、真壁には全く効かなかった。

真壁「思い知れ、小僧!!」

そんな真壁に浩司はボコボコにされる。真壁に効かない理由は、ジーザスエンドが未完成なまま作動したからではなく、真壁が人間だからである。第27話で自身の最強の影武者ロボットを差し向けたが、ラストでは本物の真壁は赤い血が流れる人間であることが明かされた。

しかも、諸悪の根源である真壁はガンギブソンよりも一枚上手で、ガンギブソンを上手く仲間に引き込みつつ、細川兄弟からジーザスエンドを奪い、自身に歯向かうロボットを殲滅させるためにジーザスエンドを改良しようと目論んでいた。この男、狡猾かつ残忍である。

そして、ジャンパーソンは細川兄弟に未完成のジーザスエンドを完成させて、作動させるよう促す。

自身はおろか、ガンギブソン、善良なロボット、含めてネオギルドを滅ぼし、そこから人間が立ち上がって欲しいと願う。

だが浩司は、死ぬことも辞さずに自らを守ったジャンパーソン、ガンギブソンを前にその考えは揺らぎ始めていた・・・。

 

今回のジャンパーソンの行動は独善的である。自らを犠牲にするならまだしも、相棒のガンギブソンや、善良なロボットまでも、それに巻き込ませようとするのはいかがなものか?ましてや、ジャンパーソンは主役である。それではこれまでの闘い、つまり番組の根底に流れる人間とロボットの共存というテーマを全否定してしまっている。最初こそ、ガンギブソンも拒否したが、結局、ジャンパーソンに説得されて賛同してしまう。

ジャンパーソンは人間の利益を最優先に考える。それに敵が人間と判明すると、基本的には手を下さない。ロボットが人間に与えられた使命の中でしか生きられないのならば、それを全うするのがジャンパーソンなのだろう。だが、今回のジャンパーソンの行動には人間至上主義的な部分が伺える。浩司はロボットを恨むあまり、かなり極端な言動になっているが、ジャンパーソンも同様である。

ジャンパーソンは人間が立ち上がることを期待して、ジーザスエンド作動に賛同した。だが、ジーザスエンドが作動しても、一時的に大損害を被るだけで、結局、元の世界に戻ってしまうことは容易に予想がつく。人間は一度、味を占めたものを決して手放すことはない。

 

だが、今回の危機は免れたとしても、これから本当の災難が訪れようとしている。そう、魔王が今まさに降臨しようとしていたのだ!!

 

ゲスト

細川浩司・・・新井昌和

正志・・・久我未来

カーマン/細川博士・・・秋間登