戦うパパはカッコいい!byコマンドー
第20話「忍法デスマッチ」
1993年6月13日 脚本:鷺山京子 監督:小西通雄
SS-Nのドクター甲賀は忍者の子孫のDNAに眠る忍者の能力をDNA復活装置によって目覚めさせ、忍者軍団を結成させることを目論んでいた。そして、周平の友人ユウのパパが誘拐される。そう、ユウのパパは伝説の忍者・猿飛佐助の子孫であったのだ。ドクター甲賀はパパをDNA復活装置にかけて無理矢理、超人的な能力を与えるが、隙を突かれて脱出を許してしまう。しかし、ドクター甲賀率いる忍者軍団がその後を追うべく出撃する!!
前回に続き、敵の組織はSS-N。しかもタイトルの通り、忍者ものである。
ドクター甲賀は忍者の子孫を拉致し、DNA復活装置によってDNAに眠る忍者の能力を蘇らせ、その細胞を一般市民に移植し、忍者軍団を結成を目論む。だが、DNA復活装置によって忍者の能力を得ても、1時間で元に戻ってしまうというデメリットがある。そのため、DNA固定光線でDNAを固定する必要がある。
そんなドクター甲賀は本名は青木政男といい、SS-N加入以前は忍者の研究をしていた生物学者で、国際的に禁止されている遺伝子実験を行って、学会から追放されたというバックボーンを持つ。
そして、ドクター甲賀によって伝説の忍者・猿飛佐助の能力を得るのがユウのパパである。ユウのパパは普段はだらしなくて頼りない。しかも、ユウには若干、呆れられている。だが、猿飛佐助の能力を得た途端に、今までの頼りなさは全く消えて、かっこいいパパに変貌する。このギャップがたまらない。
「ジャンパーソン」の今までの流れから見ると、今回は忍者ものということで、やや風変わりに見えなくもない。しかし、テーマは家族愛であり、個人的に好きな回である。
また今回、ジャンパーソンがいつも敵に投げつけるJPカードをカードケースから取り出す描写が存在する。愛銃ジャンデジック、ジャンバルカンに比べて、マニアックなアイテムになるが、JPカードケースもちゃっかり玩具として発売されており、そのPRも兼ねているのだろう。
ぐうたらでも"パパ"
ユウのパパを拉致し、DNA復活装置にかけて猿飛佐助の能力を与えたドクター甲賀だったが、DNA固定光線を浴びせる前にパパは超人的なパワーで、ドクター甲賀率いる忍者軍団を蹴散らして、脱走してしまう。
だが戦闘の際、パパは負傷し、その血が床にこぼれ落ちていた。ドクター甲賀は少量だが、猿飛佐助の血液を採取したのだった。
SS-Nから脱走したパパは追っ手が来るのを察知し、ユウを連れて逃げる。普段のぐうたらとは違うパパの勇ましい姿に驚くユウ。
だが、ドクター甲賀はユウの母を人質に取り、パパに自らの元へ戻るようにと迫る。さらには一般市民に忍者の細胞を植え付けており、自らの一味に加えていたのだった。
絶対絶命の状況の中、ジャンパーソンが駆けつけ、ユウのパパと共闘する。
しかし、DNA復活装置のタイムリミットが訪れ、元のパパに戻ってしまう。乱戦の中、パパだけは煙幕を使って逃げることができたが、ユウとママはドクター甲賀一味に捕まってしまった。しかも、ジャンパーソンは落とし穴の罠にかかり、爆弾を投げ込まれ爆発!!
ドクター甲賀の基地に連れ去られたユウとママは檻の中に閉じ込められていた。ママはパパがまさか、助けに来るはずがないと失望していた。
そんな時だった!!
パパが単身、基地に乗り込んできたのだ。
自らの首筋に刀を突きつけて・・・。自分が死ねば、ドクター甲賀の望むものは手に入らないと、自分の命と引き換えに人質を解放するように要求した。
そしてパパはユウに言った。
「ユウ、パパのこと覚えといてくれよ。だらしがなくて、カッコ悪いパパだったけど・・・」
今回の脚本は鷺山京子さんである。以前、鷺山京子さんが担当した第7話「ボクは女の子?」を当ブログで語ったが、そこでもゲストキャラクターの男らしさとジャンパーソンのヒーローとしてのかっこよさが描かれている。
普段だらしないぐうたらパパの命を賭けた、敵との駆け引きはちょっと感動した。確かに猿飛佐助の能力を得て、一時的にジャンパーソンと共に闘う姿はカッコ良かったが、物語の重要な部分はそこではなく、本当のパパが取ったこの行動にこそ、家族への愛が描かれているのだ。
また、あのセリフもユウへの本物の愛を感じられる。
今回、忍者ということでちょっと変わった回だと思っていたが、ユウのパパの行動がこの回の見方を変えた。
またラストも爽やかで、これも第7話のラストと方向性が似ている。そう、オーソドックスなヒーローのカッコ良さを改めて感じたのだ。
そして次回、ついにヤツが姿を現す!!二丁の拳銃を携えたアイツが・・・。
ゲスト
ドクター甲賀/青木政男・・・大谷朗
ユウのパパ・・・吉田幸紘
ユウのママ・・・宮脇順
ユウ・・・倉片陽介