マサキの部屋

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特捜エクシードラフト 第9話「危険な家族ごっこ」について

今回は「特捜エクシードラフト第9話「危険な家族ごっこについて語りたい。

特捜エクシードラフト」(全49話)は1992年2月2日〜1993年1月24日に放送され、メタルヒーローシリーズ第11作、レスキューポリスシリーズでは第3作にあたる。そして次回作は「特捜ロボ ジャンパーソン」。

当初、エクシードラフトはレスキューポリスシリーズシリーズでありながら、第1作「特警ウインスペクター」と第2作「特救指令ソルブレイン」と世界観を共有していない設定だった。だが番組終盤にシリーズ第1、2作の登場人物・正木本部長が登場したことにより、エクシードラフトは前2作と世界観を共有することになった。

基本的に1話完結で、シンジゲートによる犯罪や未来的装置・超常現象による事件・事故などを扱った内容である。従来のレスキューポリスシリーズの流れを受け継いでいるが、決定的に違う部分は、光の戦士編や終盤の炎の悪魔の黙示録編という、独自のストーリーが展開されたこと。前者は宇宙生命体との友情、後者は神と悪魔の戦い(ルーツはオーメン3?)が描かれ、従来のレスキューポリスシリーズで築いたカラーとは毛色が異なる。

そのためか、特に炎の黙示録編について賛否が別れている(個人的に好きだけど)。炎の黙示録編はさて置いて、エクシードラフトの物語は評価の高いものが多く、従来のレスキューポリスシリーズらしい内容である。今回語る「危険な家族ごっこ」はまさにその最たるものであろう。

「明日の地球に人々は求めた。愛と希望と優しさを。そして人々は選んだ。若く熱い三つの魂を。多様化する未来型犯罪に敢然と挑戦する、特別救急捜査隊の誕生である。」

オープニングナレーションより

エクシードラフトに所属する若き隊員・叶隼人、村岡耕作、大熊拳の3人がトライジャケットと呼ばれる強化アーマーを着用し、レッダー、ブルース、キースとなって犯罪・災害に立ち向かう。

叶隼人(24歳)/レッダー

エクシードラフトの隊長でインターポール出身。階級は警視正である。冷静沈着で職務遂行を最優先とするが、同時に人命を遵守(じんしゅ)する。かなり出来た人物。かっこいい。

村岡耕作(24歳)/ブルース

警視庁特捜部出身で階級は警視。設定上、クールとされているが、エクシードラフトの中で最も人情家でまた、感情を表に出しやすい。両親を亡くしており、家族との絆の大切さは誰よりも知っている。

大熊拳(24歳)/キース

消防レンジャー部隊出身で階級は警視。温厚な性格で、エクシードラフトのムードメーカー的存在だが、かなりの熱血感でもある。空手と料理が得意(耕作曰く、料理は不味いらしい)。初期はなにかと耕作と衝突していたが、徐々にエクシードラフト隊員としての絆を深めていく。

3人ともカッコいいお兄さんと言う感じで、非常に親しみやすい。また、3人とも同世代なのでチームワークも良く、フレッシュな雰囲気も漂っていて好感も持てる。

エクシードラフトは3人の他に、桂木本部長と紅一点の日向隊員が所属。

桂木本部長は普段は呑気そうな雰囲気を漂わせているが、いざとなると長年の捜査経験に基づいた的確な指令を下す。

日向隊員は主に通信系を担当。エクシードラフトの捜査の要、探査衛星シムの操作やコンピューターのデータベースから犯罪者などの情報をはじき出す。基本は本部で職務をこなしているが、射撃や格闘術などの心得もあり、ごく稀に武器をとって戦うこともある。また、弟・勝(演:韮沢雄希氏)がいる。

あらすじ

第9話「危険な家族ごっこ
1992年3月29日放送 脚本:扇澤延男 監督:蓑輪雅夫

危険な家族ごっこ

危険な家族ごっこ

  • 発売日: 2016/12/22
  • メディア: Prime Video
 

宝石強盗団の一員、長井は組織を裏切って逃亡。そして小田切邸に侵入し、その身を隠した。だが、小田切邸には風邪で休んでいた一人息子・守とお手伝いロボ・キーパーの2人がいた。追われる身の長井は2人を連れて逃走。長井は2人を人質のために連れ去ったと思われていたが、実は守達が自ら長井に同行したのであった・・・。


ゲストキャラクターの長井は犯罪者ではあるが、根っからの悪人ではない。そんな長井を演じたのは遠藤憲一氏。

今回描かれるのは長井と守・キーパによる"家族ごっこ"(DVDブックレットで擬似家族と表現)である。

本作の脚本は扇澤延男氏で、扇澤氏を語りたいたがために当ブログをやっていると言っても過言ではない。扇澤氏は数多くのメタルヒーローの脚本を手掛けており、本作と同様なテーマで私の好きな作品が「重甲ビーファイター」第41話「兄貴はムキムキ」である。

本来の家族ではない者たちによる家族。その家族の絆は本物以上に強かった・・・。

まず、小田切家は三人家族である。守の両親は共働きでしかも多忙。家族揃って食事をとる時間もない。父親はロボット工学の研究員で、母親はコメンテーターとしてテレビで活躍しており、偉そうに自らの子育て論を語っている。

父親が守のために母親代わりのロボット・キーパーを作ったのだった。

そして長井が守が運命の悪戯のによって出会うことになる。

組織を裏切った長井は貨物船に乗り込んでオーストラリアに高飛びするつもりであった。そんな長井は元々普通のサラリーマンだっだが、妻子を事故で亡くし、そこから犯罪者の道に転落。そう、長井は父親であったのだ。

長井は守に家庭の事情を尋ねる。その時、外出していたキーパーが帰って来てしまう。キーパーを見た長井は守に言った。

長井「お前、人間のおふくろがいるってのに、こんなロボットに育てられてんの?」

楽しかったぜ、家族ごっこ

守達は自らの意思で長井に同行。その理由はこうだ。

守「僕は嫌いだよ、日本なんて。みんな忙しく働いてて、家族でご飯食べる時間もない国なんてさ。」

共働きが悪いというよりも、親の愛情を十分に感じることが出来なかったということであろう。

長井は守に両親を置いて、日本から去ることに未練はないかと尋ねる。

守「捨てるんじゃないよ、とっくに僕の方が捨てられてたんだ。」

守はそう答えた。

長井と守とキーパーは貨物船を待つために、港付近の倉庫で待機。そこで束の間の家族ごっこを楽しむ。その姿はまるで本物の家族以上に幸せそうだった。

エクシードラフトは当初、長井が守達を人質に取ったとみて捜査を進めていたが、やがて守が自らの意思で長井に同行したことに気づく。だが耕作は捜査の過程で長井の事情を知り、いち早くそのことに気づいていた。

長井は妻子を亡くし、その骨を小袋に入れて持ち歩いている。そして子供を失う悲しみを知る者が誘拐をする筈はないと。

だが、そんな長井から守を奪い返さなければならないことを耕作に告げる隊長・隼人。

耕作「どうして!?」

隼人「そこまで言わせるな、俺に!」

今回は犯罪者であるひとりの男と、一般市民の子供が心を通わせるという一本だが、扇澤氏の作品は悪をただの悪とせず、ひとりの登場人物としてのバックボーンを掘り下げ、視聴者に感情移入させる。今回はまさにその最たるものであろう。前述の同様なテーマの作品として「重甲ビーファイター」第41話「兄貴はムキムキ」を挙げたが、その作品は敵組織のロボット幹部・シュヴァルツと、シュヴァルツ自らが作り上げた兄貴・マッチョNo.5による"兄弟の絆"という、善悪を超越したドラマが描かれる(兄貴というのがミソ)。

今回も善悪を超越した「擬似家族」であり、家族のあり方について考えさせられる一本であった。

また長井は守を通して、亡くした家族の時間を過ごそうとしていたこと、守も長井に理想の父親像を見ていたことを、両親を亡くしている耕作がそれにいち早く気づいていたというのが秀逸。

 

大人になるといろんな事情を知って、本当に大切なことを見落としがちである。そして大切なことよりも事情を優先するようになる。何も、事情を優先するなというわけではない。けど、たまには特撮番組から、本当に大切なことを再確認にすることはアリではないだろうか?

特撮番組を見て自らの襟を正す。

日常で忘れがちな大切なことを再確認させてくれるのが、特撮番組の魅力のひとつである。

 

叶隼人/レッダー:影丸茂樹

村岡耕作/ブルース:河合マモル

大熊拳/キース:榊原伊織

日向愛隊員:中村由利

桂木重吉本部長:福田豊

ナレーター:鳥居賞

第9話「危険な家族ごっこ」ゲスト

長井清ニ:遠藤憲一

田切守:長沼哲郎

キーパーの声:小金澤篤子

 

第9話「危険な家族ごっこ」収録DVD

特捜エクシードラフト VOL.1【DVD】

特捜エクシードラフト VOL.1【DVD】

  • 発売日: 2011/03/21
  • メディア: DVD