マサキの部屋

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特捜ロボ ジャンパーソン 第6話「さまよう冷凍男(アイスマン)」について

前回とはまた打って変わって、特撮番組「特捜ロボ ジャンパーソン」の第6話「さまよう冷凍男」について語りたい。

第6話「さまよう冷凍男(アイスマン)」

1993年3月7日放送 脚本:扇澤延男 監督:三ッ村鐵治

さまよう冷凍男

さまよう冷凍男

 

あらすじ

工藤という男が空き巣で逮捕される。工藤は勤め先の冷凍倉庫に一年間閉じ込めれて、触れた物を凍らせ、低温でしか生きられないという特異体質になっていた。工藤は刑事やマスコミから"怪物"呼ばわりされ、その怒りを悪の組織SS-Nによって焚き付けられる。そして工藤は改造手術により本物の"怪物"となってしまう。

 

今回の敵はSS-Nで、作戦の遂行者はドクター椎名(演:石川武氏)。ドクター椎名は麗子への忠誠心の証として、自らの体内に爆弾を仕込んでおり、その起爆スイッチを麗子に預けている。ドクター椎名の忠誠の高さに麗子様は涙したそうだ。

また、ジャンパーソンの声を演じている小峰祐一氏が工藤の体質を調査する研究員役で出演している。

"怪物"

今回の目玉はなんといっても、ゲスト主役でかつ、ジャンパーソンの敵、工藤助三=アイスマンである。工藤の性格は元々温厚であったが、"怪物"扱いされて凶暴なアイスマンとなってしまう。そんな工藤を演じたのは小野寺丈氏。レスキューポリスシリーズ「特救指令ソルブレイン」第30話「神様はつらいよ」にもゲスト出演している(脚本は本作と同じ、扇澤延男氏)。

工藤は上京して、冷凍食品会社の倉庫に勤めていたが、突然の閉鎖により、置いてけぼりを食って1年の間閉じ込めれてしまう。工藤はたまたま落ちていた針金状の金属片で壁に穴を開け続けて脱出し、空腹を満たすために民家に空き巣に入ったと思われる。1年という時の経過を表す描写として、工藤が積んである発泡スチロールの箱に"正"の字を刻んでいるのがなんとも言えない。

そもそもなぜ、工藤は1年間も倉庫に閉じ込められてしまったのか?それには理由がある。

「冷凍倉庫に閉じ込めれた1年の間、誰もお前の行方を探さなかったそうだな。どうしてだ?気の弱いお前のことなんかはじめから誰も相手にしていなかったのだ。」

ドクター椎名

これである。工藤の性格は温厚だが、それ故に周りから誰にも相手にされず、自分が倉庫にいたことを気づかれなかったのだ。

工藤という男は扇澤延男氏脚本のレスキューポリスシリーズ・特警ウインスペクター第38話「選ばれた男」に登場するゲスト・松下(演:吉田淳氏)とダブる。松下は自らをいてもいなくてもいい人間と評した。

メタルヒーローシリーズにおける、扇澤氏の作品は孤独や迫害された者を扱う傾向にある。

数年前に私がブログを立ち上げる構想を練っていた時、扇澤氏について語ってみたいと思っていた。私が扇澤氏を知るきっかけとなった作品が、「重甲ビーファイター」第23話「怪人に花束を・・・」で、ジャマール傭兵ゴルゴダル(声:加藤精三氏)の悲劇をトラウマレベルで描いていた。扇澤氏はシリーズのメインライターではないが、1話完結の回で心を抉るエピソードが多い。まさに「冷凍男」はその真骨頂である。

誰にも相手にされなかった工藤が"怪物"という形で世間の注目を浴びてしまうのはなんとも皮肉な話だ。

改造手術を受けアイスマンとなった工藤であったが、弱点は熱であり、そしてこれが、トラウマレベルのラストに繋がる・・・。

 

序盤の第6話目からしこりの残るラストで、しかも、本作は悪の組織SS-Nの本格始動回である。SS-Nのやり口を視聴者に知らしめるのには十分であった。

また、このようなエピソードを日曜の朝にやってしまうのも凄い。"ブラウン管のテレビ"からテンションの上がるかっこいいオープニングが鳴り響き、本編を最後まで観ていたら、トラウマレベルのラストである。

やはり改めて日曜とはなんたるかと考えさせられる。今のご時世、"サザエさん症候群"なるものも存在するし。

 

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