マサキの部屋

特撮・ドラマ・映画その他もろもろについて語ります

君の名は蘭花!!ダイヤモンド・アイについて

本当は記事を前後に分けるつもりはなかったが、思いのほか長くなってしまい、仕方なしに分けることにした。前後に分けたことにより、後半の「ダイヤモンド・アイ」についてたっぷりと語ることができる。まさしく怪我の功名だろう。

レインボーマン ダイヤモンド・アイ コンドールマン大全(岩佐陽一 編 双葉社)」の本作の関係者のインタビューによると、後半には視聴率を上げるためのテコ入れとして新たなキャラクターが登場する。そのキャラクターの登場により、本作は前半とは違った魅力を放つことになる。前半は後半と比べると地味な印象は否めないが、だからといって前半が面白くないのかというとそれは違う。前半で築いた世界観があるからこそ、後半が成立するのだ。

後半ではOP・EDの映像を一新。前世魔人一味を大きくフューチャーした派手なものになった。それに伴ってか、前世魔人の作戦もハリケーン作戦という水面下のものから、頭脳改造作戦という実力行使のものに切り替わっていく。

後半の「ダイヤモンド・アイ」

前半の最終話でダイヤモンド・アイはキングコブラを退いたが、完全に倒すまでには至らなかった。

一方、キングコブラは悪霊界に逃げ帰ったものの、アイによって受けた傷が深く治療に専念しなければならなかった。キングコング娘の蘭花=ヒメコブラをパリから日本に呼び寄せ、前世魔人の代理の指揮官とした(第14話)。

蘭花は小手調べとしてか、父親の敵ライコウに素性を明かさず接近する。

蘭花ライコウは出会った時点でお互いに惹かれ合う「DAN DAN心魅かれてく」のではなく、出会った時点でお互いがお互いに惹かれている。

そう、蘭花の登場により、本作は恋愛路線となったのだ!!蘭花ライコウ、敵と味方に別れた二人のロミオとジュリエット的なラブストーリーを1クールを通してじっくり描いていく。

後半の路線を蘭花に吹っ切ったのは英断といえよう。蘭花は本作に"華"を添えた上に番組の最大の魅力となった。特撮番組でがっつりとした恋愛路線はなかなか珍しい。

実戦経験のない蘭花をサポートするために、キルト=前世魔人オニカブトン(演:片岡五郎氏)が登場。キルトは残忍で嫌味ったらしい性格だが、傷ついた前世魔人の治療を行うなど、前世魔人一味の中で非常に重要なポジションである。さらに冷酷な性格の魔倫(演:吉田未来氏)=ケロキャットも同じくサポート役として登場。二人は蘭花に振り回されながらも、サポート役に徹する。

前半では毎回登場していた源海龍はストーリーの都合上、出番が少なくなる。だが、要所要所で登場しては前世魔人の王としての貫禄を見せつける。さらに蘭花の父親という一面が加わり、前半よりも存在感が増したといえる。

前世魔人一味の頭脳改造作戦は普通の人間を洗脳装置によって自らの手駒として悪事を働かせるのだが、洗脳された人間を元に戻す手段として、アイの怨霊逃散洗礼光線が活躍する。怨霊逃散洗礼光線は前世魔人の魔力から人を救う能力があり、前半から使われていた。

二人の恋愛模様

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ライコウは真っ直ぐな男だ。変に気取ったり、スカしたり、ドSとかそんなタイプではない。だからこそ素直に応援したくなる。ライコウには下心のような邪な感情はない。ただ純粋に好きなだけ。そしてライコウ蘭花に対するアプローチはド直球である。駆け引きがどうのこうのではないのだ。

ヒロイン蘭花は父親・源海龍の娘=前世魔人の指揮官としてライコウと敵対しなければならない宿命である。蘭花は悲しみながら自らに課せられたを宿命を全うすることを決意する。

だが、蘭花は優しい性格であり、悪としての素質は皆無と言っていい。ライコウの母親(演:菅井きん氏)を人質に取りながら、アイの弱点をつく作戦を「汚い!」と一蹴し、作中を通して誰も殺すことはなかった。ライコウと敵対しても、ライコウの説得で蘭花は善悪の間で心が揺れ、それは前世魔人ヒメコブラの姿になって変わらなかった。蘭花は葛藤を抱えつつも前世魔人の指揮官として気丈に振る舞おうとする。

蘭花の母親はこの世にはもう存在していない。蘭花のセリフによると、母親は蘭花を産むと同時に亡くなったという。蘭花は母親に対する憧れが強く、だから前述のライコウの母親を人質に取る作戦には強く反対したのだろう。

劇中では蘭花の母親が前世魔人か、人間であったのかは不明で、人間であったと解釈できなくもないが、母親に関する情報が「優しい」というだけなので判断するのが難しい。源海龍はその辺のことについてはいっさい語ってくれない。

とにかく、蘭花は母親の「優しさ」を受け継いだのは確かであり、蘭花の「優しさ」については部下の前世魔人達も認識している。

蘭花を演じたの隅田和世氏。

イナズマンF」第36話「美しいサイボーグ!暁に分身す!!」のあけみ=サイレンサーデスパー役や「キカイダー01」のリエコ役など、昭和の特撮ファンには有名である。

隅田和世氏は上品な顔立ちであるが、どこか儚さを感じさせる。凛としつつ、時に見せる戸惑いの表情は観ているこちらのハートを鷲掴みにしてくる。ライコウが死んだと誤解した時には複雑な表情を浮かべるなど、随所にキュンとする。

蘭花=前世魔人ヒメコブラは全身が蛇の鱗で覆われ、右手からコブラの頭が突き出しており、そのコブラの頭で敵を幻惑する。顔は前世魔人には珍しく人間に近い。髪は白よりの金髪で口から牙を生やしている。ヒメコブラの顔は蘭花を演じた隅田和世氏を彷彿とさせる造形である。やはり、この点から見ても蘭花=ヒメコブラは特別に力を入れたキャラクターであることが分かる。

ライコウの言葉に自らの悪事に対して躊躇する、悪人になりきれないヒロイン・蘭花

そんな蘭花を悪の道から救えるならば、なんとか救い出したいライコウ

ライコウ守護神アイに言った。「蘭花も前世魔人のキングコブラの娘として生まれてなければこんなことには・・・。」と。

ライコウは悪の道から救済する方法をとして、蘭花怨霊逃散洗礼光線を浴びせることをアイに提案する。だが、そう単純な問題ではないのだ。

アイ曰く、蘭花自身が悪の道、キングコブラとの全ての縁(えにし)を断ち切る強い意思がなければ、怨霊逃散洗礼光線を浴びせても意味がないという。

そしてアイは蘭花が邪悪な意思を持ち、自らの前に立ち塞がるのであれば容赦なく倒すと宣言。他の前世魔人が身代わりとなったためことなきを得たが、アイはヒメコブラに必殺のロイヤルパンチを放ったことがある。

一応、アイはライコウ蘭花を救おうとしていることに理解は示すが、悪として立ち塞がるのであれば容赦なく倒すというスタンスである。

王の帰還

最終決戦に近づき、前世魔人の王キングコブラ=源海龍が治療を終えて戦線復帰する。

源海龍

「人間どもの持つ醜い欲望や不正や力の強いものが弱いものを虐げるなどという悪の心がなくならない限り、我々もまた永遠に滅びることはない。」

第26話(最終回)「キングコブラ大決戦」脚本:伊藤恒久 監督:山田 健

これは娘・蘭花に向けたセリフだが後のコンドールマンのモンスター一族に通じているような気がする。

悪人になりきれない蘭花と違って大悪人の源海龍は人質を使い、ライコウ達を捕らえることに成功。アイを窮地に追い込む。手出しできないアイを目前に、生意気な人間ども=ライコウ達の処刑を行うと宣言。それに対してライコウは言った。「どうせ殺されるなら、あんたの娘の蘭花に殺されたい」と。それを聞いたヒメコブラの姿の蘭花は激しく動揺する。

そう、ヒメコブラの姿でもライコウ蘭花と呼んだのだ!!

君の前前前世から僕は君を探しはじめたよ

前前前世

作詞・作曲:野田洋次郎

RADWIMPS

まさに"君の名は蘭花"だ。

特撮番組では1話限りの恋、女性怪人とヒーローの恋愛が描かれることが多々ある。ラストは女性怪人が改心して殺されるなど基本的に悲恋で終わる。本作もそれと同様のプロットではあるが、1クールを使って恋愛模様をじっくりと描いたことにより、ラストの感動は大きい。

本作は昭和の作品なので荒削りな部分は否めないが、本作の持つ熱さはどの作品よりも抜きん出ている。たしかに本作は非現実の世界の恋愛ドラマで、現実の恋愛なんて上手くいかねぇよと思っても、ライコウの真っ直ぐな想いを見て優しい気持ちになれるかもしれない。なんだかんだで、愛の本質はそういうもんじゃないのだろうか?愛する女性のために頑張る男はやはりカッコいい。

ふと思うのだが「ダイヤモンド・アイ」の最終回のEDで善悪引っくるめて、みんなで恋ダンス的なことしてたら面白い。あっ、そう言えばコンドールマンの怪人ゼニクレージー星野源氏と共演してたな・・・。

 

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