マサキの部屋

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前世魔人の正体見たり! !ダイヤモンド・アイについて

君の前前前世から僕は君を探しはじめたよ

前前前世

作詞・作曲:野田洋次郎

RADWIMPS

2016年に公開され、大ヒットを記録した「君の名は。」(東宝)の主題歌であり、日本中の誰もが一度は耳にしたことのあるワンフレーズであろう。

特撮というジャンルは基本的にヒーローと怪人(怪獣)の戦いが描かれるが、星の数ほど存在する特撮番組では怪人にも様々な名称があったりする。その中でも一際、目を引くのが「ダイヤモンド・アイ」に登場する悪の一味・前世魔人。

前世魔人というワードはかなりのインパクトがあり、「前世魔人とは一体なんだ?」と非常に興味をそそる。

今回はその「ダイヤモンド・アイ」について語っていきたい。

「ダイヤモンド・アイ」は1973年10月5日〜74年3月29日(全26話)まで毎週月曜日19:00〜19:30、NET系(現:テレビ朝日)で放送されていた。製作は東宝・NETで、原作はあの川内康範氏。等ブログで扱った「レインボーマン」(東宝)と「コンドールマン」(東映)、そして本作「ダイヤモンド・アイ」は川内ヒーロー三部作とされる。本作は「レインボーマン」の後番組であり、三部作の二番目に当たる。本作の脚本は伊藤恒久氏。伊藤恒久氏は前作「レインボーマン」と「コンドールマン」を担当しており、三部作全てを担当している。

特撮といえば東宝のイメージが強いが、それは「ゴジラシリーズ」というネームバリューを築いたからである。「ゴジラ」は日本の国民的怪獣として愛され、今や日本を超えて世界の怪獣となっている。これは個人的見解になるが、特撮映画において"最高品質"の東宝はテレビシリーズの特撮になると途端に曲者感が強くなる。本作もその例に漏れないだろう。やはりテレビシリーズの特撮のスタンダードは東映で、東宝のテレビシリーズはその数も少ない。だが、数は少ないとしても曲者の作品達の独自の魅力は凄まじいものがある。

本作のコンセプトを変身ではなく、献身ものとし、独自の路線を追求。主人公ライコウがダイヤモンド・アイに変身するのではなく、ダイヤモンド・アイという全能の神の遣いである守護者と共に正義のために献身する物語なのだ。独自の路線の追求はコンセプトだけでなく、特撮・アクションシーンでもそうであり、試行錯誤の跡がうかがえる。

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正義のために献身する者達と神の遣いダイヤモンド・アイ

ライコウ(演:大浜詩郎氏)

本名は雷 甲太郎。職業はルポライターで、愛車のバイク・サンダー号に乗り悪を追う。基本的にどんなにことにも猪突猛進のザ・体育会系の男である。格闘能力・身体能力共に高い。

ライコウを形容する表現として「ペンはオレの刀だ」があるが、劇中で文書を書いてる描写はいっさい存在しない。彼の書いた記事は一体どのようなものかは非常に気になるところで、一度でいいから読んでみたい。

ライコウは当初、経済界の黒幕・大沢山(演:神田隆氏)の脱税疑惑を追っていたが、来日した香港暗黒街の王・源海龍(演:南原宏治氏)と大沢山が結びつく。源海龍は大沢山を凌ぐ存在であるが、それはあくまで人間の姿であり、真の姿はキングコブラという前世魔人の王である。源海龍によりピンチに陥ったライコウはダイヤモンドから出現したアイにピンチを救われる。アイに自らを呼び出すアイリングを"友情の証"として授かったライコウは正義のために献身していく。

ライコウにはアイの他に仲間がいる。それはカボ子(演:黒沢のり子氏)と五郎(演:福田悟氏)。

カボ子はトランプの扱いに長け、占い、マジック、投げなど器用にこなす。カボ子のトランプ占いはかなりの的中率を誇り、その後の展開を視聴者に期待させるための大事な役割を担っている。また、トランプ投げによってライコウのピンチを救うこともたびたびあった。

五郎はふくよかな体型の気の良い青年で、ライコウを先輩と慕い、その助手として活躍する。

ライコウは前作「レインボーマン」の主人公ヤマトタケシと比べるとかなりの熱血漢である。さらには孤独な戦いではなく仲間と共に戦うという、全体的に陽の主人公として描かれた。ヤマトタケシは根が暗いわけではないが、やはり使命の十字架で苦悩する部分が陰を感じさせる。ライコウ役の大浜詩郎氏は「レインボーマン ダイヤモンド・アイ コンドールマン大全」(岩佐陽一 編 双葉社)のインタビューによると、「レインボーマン」のオーディションを受けていたという。仮にヤマトタケシを大浜氏が演じていたのなら、違う魅力を持ったヤマトタケシが誕生していたに違いない。

ダイヤモンド・アイ(声:第1〜7話 池水通洋氏、第8〜26話 野田圭一氏)

ダイヤモンド・アイVOL.1 [DVD]

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アイは神が遣わせたブルーダイヤ=アラビア王の精で、この世の悪を全て退治しない限り、元のダイヤモンドには戻れないという途方もない宿命を背負っている。そんなアイは前述の通り、ライコウの守護者という役割で人間では倒せぬ敵・前世魔人を倒すためにアイリングからライコウに召喚される。

アイはダイヤモンドのついたステッキを駆使して前世魔人と戦う。ステッキの先端は鋭く尖っており、剣としても使用する。

特にステッキのダイヤモンドを放つ、必殺のロイヤルパンチは強力で、どんな前世魔人を必ず倒すことができる。

アイは神が遣わせたヒーローということで無敵そうなイメージがあるが、戦闘能力の殆どがステッキのため、ステッキを奪われると防戦一方になり、戦闘員クラスの前世魔人にすらまともに戦えなくなってしまう。また、光がないと力を発揮できなかったり、逆に強い光が苦手などの弱点が多々存在する。そして、弱点を突かれてピンチに陥ったアイが逆にライコウによって救われることもある。そう、アイとライコウは共に力を合わせて闘っているのだ。

アイの両目からから放たれる外道照身霊波光線は人間の姿をした前世魔人の正体を暴くことができる。

アイに正体を暴かれた前世魔人達は「ばぁれたかぁ〜!」と言うのがお決まりとなっている。

前世魔人

前世魔人は普段は人間の姿をしている。基本的に前世魔人達は殺し屋であることが多い。

前作「レインボーマン」とは違い、本作は毎回怪人=前世魔人が登場するが、数種類の前世魔人がローテーションという形である。

・モージンガー

・サタンバット 

・ヒトデツボ

・ケラリン

・ワレアタマ

・ゲララチン

・ケロキャット

彼らはひとつの種族であり、倒されても別人という形で再登場してくる。その際、着ぐるみにマイナーチェンジなどはない。安上がりという見方もあるかもしれないが、逆にそれがユニークだと思う。

源海龍=キングコブラ(演:南原宏治氏)

表向きは貿易商だが、実はアジア征服を目論む香港暗黒街の王で、13の顔を持つと言われている変装の名人でもある。非常に残忍な性格。

スイスの国立銀行から世界一のブルーダイヤ=アラビアの王を盗み出している。

渋くクールな魅力の源海龍だが、キングコブラになると途端にテンションの高い、コミカルなキャラクターになる。源海龍とキングコブラのギャップが凄まじい。

アイが出現すると、部下に任せて自分はすぐさま前世魔人の本拠地・悪霊界に逃げ帰るが、いざとなるとかなりの実力を発揮する。やはり部下の前世魔人との格の違いを見せつける。

源海龍=キングコブラを演じた南原宏治氏は悪役俳優で、前世魔人の王には相応しい存在である。源海龍とキングコブラのギャップについて触れたが、たまにコミカルな部分を見せるのも南原氏の魅力のひとつであろう。また、源海龍として変装した際の演技も必見である。

正直、劇中では前世魔人についてハッキリとした説明がない。セリフ等で断片な事は分かるが、どのような解釈をしていいのか難しい。

本作のDVD Vol.1の解説書とVol.2の封入特典の伊藤恒久インタビューに前世魔人について触れてあったのでその一部を引用したい。

献身ヒーロー、ダイヤモンド・アイに対するのは、前世が魔人だった悪人たち。前述の記事の中で(読売新聞73年7月20日付のてれび街のコラム)原作の川内康範の「悪事を働く人間は、前世において、人間にも十二支の動物にもなれなかったチミモウリョウの化け物であり、主人公にダイヤが献身することは、美しい心の人間は心にダイヤをちりばめているという仏教思想をとりいれた」というコメントが紹介されている。

ダイヤモンド・アイ DVD Vol.1 解説書より

ー"前世魔人"というユニークな悪役が登場しますね

伊藤  人間の持っている欲望について描きたかったので、前世魔人を考えました。本作に出てくる悪役は、前世が悪かったんです。金の亡者でお金に狂って死んで、お金にとりつかれて魂も汚れている。醜いあくなき欲望、前世の執念に取り憑かれいるんです。そこで、ダイヤモンド・アイが前世の姿を明らかにして浄化し、あの世に封じ込めて返す。それが前世魔人の設定なんです。単に悪役を斬って捨てるというものとは違うんです。

ダイヤモンド・アイ DVD Vol.2 伊藤恒久インタビュー 文・構成:石井良和 より

本作に登場する悪人の全てが前世魔人という訳ではなく、大沢山のような大物でもあくまで人間のようだ。だが、大沢山の部下が前世魔人モージンガーだったりと、前世魔人についてはやはり謎が多い。

ストーリーライン

全26話の本作は前世魔人一味が前半1〜13話にハリケーン作戦、後半14〜26話では頭脳改造作戦を展開、それらをいかにアイとライコウ達が阻止するかが描かれる。

ハリケーン作戦は源海龍が資金源確保のため、不正を働いた政治家や実業家などにつけ込んで大金を巻き上げる作戦である。なので表立って悪事ではなく、水面下で行われるものだった。前作「レインボーマン」の死ね死ね団の作戦とは違い、派手なものではなくミニチュア等のメカニックも登場しなかった。

前述の「レインボーマン ダイヤモンド・アイ コンドールマン大全」(岩佐陽一 編 双葉社)で「レインボーマン」と本作の企画・プロデューサーの衛藤公彦氏と脚本家の伊藤恒久氏のインタビューではやはり、本作は子供には分かりにくい部分があったと振り返っている。複雑なストーリーの中に「利権」などの小難しいワードも登場。

ライコウと大沢山の娘・京子(演:青木英美氏)のやりとりもハリケーン作戦と並行して描かれた。さらに京子は悪人である父親との葛藤を抱えていたり、複雑な人間ドラマでもあった。

非常に見応えがあるが、初見で全てを把握するのは難しい。

だが、独自の路線の追求によって本作はオンリーワンの輝きを放っている。

後半になると「ダイヤモンド・アイ」の雰囲気が変わる。その雰囲気は実に"華やか"で「ダイヤモンド・アイ」の最大の魅力でもあるのだ。

ここまで書いたが、かなり長くなってしまったのでいったん区切りをつけたい。後半については次回で語る!!

ダイヤモンド・アイVOL.2 [DVD]

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【参考資料】

レインボーマン ダイヤモンド・アイ コンドールマン大全(岩佐陽一 編 双葉社)

ダイヤモンド・アイ DVD Vol.1 封入特典:解説書

ダイヤモンド・アイ DVD Vol.2 封入特典:伊藤恒久インタビュー

ダイヤモンド・アイ Wikipedia

【次回記事】

君の名は蘭花!!ダイヤモンド・アイについて - マサキの部屋

 

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