北斗の拳はマッドマックス2の影響をかなり受けている。世界観、ファション、敵はマッドマックス2から輸入したものだ。
アニメ北斗の拳2のOP「TOUGH BOY」は"世紀末"を見事に表現し、北斗の拳だけでなくマッドマックス2にもピッタリな曲だと思う。
その繋がりで今回はアニメ北斗の拳のED「DRY YOUR TEARS」を語ろう!!
「DRY YOUR TEARS」はKODOMO BANDの曲で、OPの「SILENT SURVIVOR」もKODOMO BANDの曲だ。
KODOMO BANDはうじきつよし氏がヴォーカルを担当するロックバンドで、「DRY YOUR TEARS」、「SILENT SURVIVOR」の作詞・作曲も共にうじきつよし氏である。
また、KODOMO BANDは北斗の拳・劇場版の主題歌も担当している。
OPの「SILENT SURVIVOR」はケンシロウのイメージにぴったりの歌詞で、ズッシリと構えた曲調が非常にカッコいい。
画面いっぱいにデカデカと、
(画像はイメージを元に再現)
世紀末救世主伝説のテロップがイントロと合わせてスクロールしていく様は圧巻である。
見るものをOPで引き込み、異論を挟む余地がないくらいに断言した漢を見せるアニメは80年代ならではだ。
北斗ファンは「SILENT SURVIVER」をご存知だと思うが、世間の知名度はまったくない。
テレビ等で北斗の拳を紹介する時に流れている曲は絶対にクリスタルキングの「愛をとりもどせ!!」で、世間のイメージでは北斗の拳=「愛をとりもどせ!!」となってしまっている。
その次に知名度があるのは北斗の拳2のOPはTOM CATの「TOUGH BOY」だろう。
この「TOUGH BOY」はかなりのインパクトがあり、前述の通り"世紀末"を見事に表現し、ロックの激しさとOP特有の爽快感が見事に融合した名曲である。さらにEDの「LOVE SONG」もTOM CATが担当していて、OPとは一転して可愛らしいラブソングになっており、OPとのギャップが素晴らしい!!映像も成長したリンをフィーチャーしていて、初見の時は本当にびっくりした。
いろいろと語ってみたが、北斗の拳は名曲のオンパレードだ。そのひとつひとつを触れているとキリがないので、ここは一旦切り上げ本題に入ろうと思う。
「DRY YOUR TEARS」はせつないバラードだ。
"SUCH A LONELY NIGHT
淋しい夜だね
「DRY YOUR TEARS」
作詞・作曲 うじきつよし
KODOMO BAND より
曲調はバラードといえども、高純度のバラードであり、ポツポツと落ちる雨の雫のようなピアノの音色と、エコーがかったうじきつよし氏の歌声が物悲しい世界観に誘う。
間奏のギターソロはまさに「DRY YOUR TEARS」の慟哭である!!
EDの存在意義が番組の"終わった感"を演出するものであるなら、「DRY YOUR TEARS」はまさに適任だろう。
アニメのEDで使用されたバージョンはイントロと曲の一部がカットされ、本来のワンコーラスより短くなっている。
だが、EDの映像がマジで凄い。
なにが凄いかって?
登場人物はもとより、人間がいっさい出てこない。
森の画が延々と続くだけである。
本当に画変わりしていない。
だが、それがいいのだ!!
最初は夜の森なのだが、曲の盛り上がりと共に徐々に明るくなって、最終的に夜明けを迎える。徹底してこだわった映像と曲が相まって不思議な感動を覚えるEDだ。
だいたいこんな構図
というか、EDにキャラがいっさい出てこないのは、かなり珍しいケースではないだろうか?
「DRY YOUR TEARS」はインストゥメンタル版が存在し、稀に劇中で使用されている。このインストゥメンタル版は"泣きのメロディー"に仕上がっていて、劇中のシーンと共に全力でこちらを泣かしにかかってくる。
また、「DRY YOUR TEARS」はReboot Versionもあり、うじきつよし氏の円熟した歌声とアレンジによって新たな魅力を持つ曲となった。
私は「DRY YOUR TEARS」がすべての曲の中でトップクラスで好きなので、カラオケ(ヒトカラ)の十八番としている。さすがにキーが高いので2つほど下げるが。
「DRY YOUR TEARS」が好きすぎるが故に、歌っている最中に泣きそうになることが多々ある。
「DRY YOUR TEARS」はもっと評価されるべきだと思うが、EDという性質上、OPの「愛をとりもどせ!!」、「TOUGH BOY」の陰にどうしても隠れてしまう。
だからこそ、今回「DRY YOUR TEARS」の魅力について語ってみた。
北斗の拳は未来永劫、語られるものである。
ならば「DRY YOUR TEARS」も語られてもいいのではないかと私は思う。
【関連動画・記事】