マサキの部屋

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特捜最前線 第369話「兜町・コンピュータよ、演歌を歌え!」に見る現代の問題

特捜最前線とは?

1977〜87年にテレビ朝日で放送されていた伝説の刑事ドラマ。

警視庁特命捜査課の刑事達が時に仲間とぶつかり、葛藤しながら様々な事件を解決していく。

番組が終了した今でも多くのファンに愛され、支持されている作品である。

今回、等ブログの記念すべき第1回目は1984年6月20日放送にされた、特捜最前線の第369話「兜町・コンピューターよ、演歌を歌え!」について語りたいと思う。

特捜の中でもトップクラスに印象に残るタイトルではないだろうか?

脚本を担当した阿井文瓶氏は(全28本担当)はDVD BOXのブックレットでタイトルをつけるのが下手とおっしゃっていたが、全然そんなことはない。

寧ろもの凄いセンスで、視聴後このタイトルであることを納得させる。

傑作であるがDVD化されずにテレビドラマの歴史から埋もれようとしている。だからこそ、東映ビデオさんには是非ソフト化して頂きたい。

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テーマは「コンピューター社会への警告」である。

主役は桜井と船村。

桜井が事件の捜査に"パソコン"を導入し、老刑事・船村はそれに反発する。だが、足で捜し出した事実と"パソコン"がはじき出した事実が結びついていく。そして"パソコンとコンピューター"の便利さに酔いしれている世の中は、確実に何かを失っていた・・・。

34年前のドラマなのでスマホ以前にケータイなんて出てこないし、お世辞にもキレイな映像ではない。

古き良きモノ、古くさいモノととるかは見る人の主観だが、扱ったテーマには何より"先見性"がある。

刑事ドラマでこんな壮大なテーマを扱ったものは、どれくらいあるのだろうか?

このテーマ性とストーリーの骨太さが特捜最前線である。だから、刑事ドラマ史にその名を刻んでいるのだ。

本来、このようなテーマはジャンル的にはSFに属し、"人口知能の脅威"といった類の風呂敷を広げたアプローチになるだろうが、特捜のアプローチは、"コンピューターによって人生を狂わされた人間の悲劇"であり、しっかり刑事ドラマの範囲内で収まらせた。

そのコンピューターによって人生を狂わされた人間は、カラオケの普及により廃業させられた"流し"とコンピューター取引の導入により"場立ち"を辞めさせられた証券マンで、放送された1984年当時から職の淘汰が始まっていたようだ。

現在、人工知能は著しく発達して10年後、20年後には人間の仕事が激減することが予想されている。

適者生存の世の中、適応出来なければ淘汰されてしまう。

"コンピューターによって人生を狂わされる"のは、他人事ではない。

パソコンが普及し始めた当時、これを見抜いていた脚本家の阿井文瓶氏は本当に凄い。

まぁ、人口知能の件はネガティブなことばかりではないのだろうが、予想もつかない世の中なので得体の知れない不安は常につきまとう。

ではもっと身近なことに目を向けてみよう。

ケータイはスマホになった。

スマホはケータイ型"パソコン"であり、ネットを利用することを前提としている。

だからスマホSNSを利用でき、その中でとても便利なLINEがある。

今ではLINE=連絡先である。

だが、LINEは人間関係を希薄していると問題視されている。

既読という表示が"すぐに返信をしなければ"という強迫観念を生み、相手を気に入らなけばすぐにブロックが出来る。

LINEは不特定多数の人間と繋がることは目的ではないが、連絡先交換の敷居を低くした。

それによって失った物は大きい。

その他のSNSは不特定多数の人間と繋れることを目的としているが、やはり負の側面があり、気軽にコメントができるから、誹謗中傷の嵐が起きる。悪意あるコメントを書く事によって、それがもとでリアルの人間関係を悪化させることがある。

さらにSNSのアカウントに生身の人間がいることを忘れがちで、気軽に繋がれすぎた結果、マナー・モラルをわきまえない者が一定数存在し、たやすく人間性が明るみになるようになった。

これは全て、"便利"さ故に起きたことで、

この"便利"はネット・・・、コンピュータが創り出したものだ。

SNSの問題は常に我々の身近に渦巻いて、最も我が身に降りかかりやすい。

劇中で、「"便利"になった世の中は"何か"を失っていく」というセリフがあるが、本当に我々は何かを失っている。

人間らしさだろうか・・・。

文明と共に人間は変わるが、この変わり方はどうなのだろう?

34年前のメッセージが具体的となって、現在進行形というのはさすがにいかがなものか。

私は視聴後にゾッとして、

"この現実に目を向けなさい"

Mr.Children マシンガンをぶっ放せ

作詞・作詞 桜井和寿

そう言われてる気がした。