※ストーリーは次回へと続いているが、区切りがあるため、今回はまとめずに語ります。
第31話「新型JP(ニュータイプジャンパーソン)誕生?!」
1993年8日29日放送 脚本:宮下隼一 監督:小西通雄
対立する悪の組織ネオギルドやSS-N、恨み重なるジャンパーソンを超えるために、ついに帯刀は自らを改造し、バイオボーグ・ビルゴルディとなった。そんな帯刀を改造したのは、MX-A1のプロジェクトの立案者かつ、かおるの恩師・時実博士だった!!ビルゴルディはジャンパーソンと同型の外観かつ、標準装備も同じあるが、性能はジャンパーソンを凌いでいた。ついにジャンパーソンの前に最強の敵・ビルゴルディが現れたのだった。
「特捜ロボ ジャンパーソン」の魅力はたくさんあるが、やはりビルゴルディという"究極の悪"の存在は大きい。
ビルゴルディはジャンパーソンと同型のデザインかつ、標準装備も同じである。だが、ジャンパーソンのスタイリッシュさを踏襲しながら、しっかりと悪であることを主張したデザインとなっており、カラーリングも高級感あふれている。悪ながら、黒や暗い色を基調としていないという部分も個人的には好きだ。一説によると、帯刀の大企業の経営者という設定、ビルゴルディのカラーリングは某アメコミのヒーローから来ているらしい。
主役と同等、またはそれ以上の力を持つ敵の出現という展開はかなり熱い!!
この時点で帯刀、ネオギルド、SS-Nの3組織はお互いに意識し合っているが、まだ直接的な対決はしていない。だが今回で、帯刀は魔王ビルゴルディとなり、戦力・立ち位置としても他の組織に大きく差をつけた。
強化されたのは敵側だけではなく、ジャンパーソンの新たな仲間・小型偵察ロボット・アールジーコが登場。アールジーコは元々、かおるが国連時代に停戦監視用ロボットとして開発していたらしい。アールジーコは偵察用ロボットだが、後にジャンパーソンの最大の武器となる。番組黎明期にはたった一人で闘っていたジャンパーソンだったが、かおる、ガンギブソンという仲間が登場し、さらにはアールジーコも仲間として加わるということで、まさにジャンパーソンチームという表現が相応しくなっていく。
また今回、第21、22話に登場したロボット刑務所の主任研究員・鳴海博士が再登場。だが、鳴海博士はビルゴルディによって殺害されてしまう。ある種、ビルゴルディ降臨の生け贄となってしまったようだ。
魔王-ビルゴルディ-降臨
帯刀「ジャンパーソン、ジャンパーソン、ジャンパーソン!!」
帯刀はネオギルド、SS-N、ジャンパーソンを倒すために究極の悪、魔王に君臨するべく、自身の肉体を改造することを決意。
そして帯刀はどこからか、ジャンパーソンの前身であるMX-A1のプロジェクトの発案者でロボット工学の世界的な権威・時実博士を呼び寄せた。時実博士はかおる、鳴海博士の恩師であった。時実博士はかつて自身が立案したものの、実現しなかったMX-A1の第二次プロジェクト、サイボーグを超えたバイオボーグの誕生を、帯刀のドナーにすることによって実現させたのだった。
つまり、ジャンパーソンとビルゴルディは生みの親は同じである。
帯刀にとってジャンパーソンは最も憎き相手ではあるが、強さを手に入れるためにならば、自分にもそれを取り入れるという発想は、非常に経営者らしく、"孫子"的でもある。時実博士にコンタクトを取ることができたものは、やはりそれは帯刀の実力であると思う。帯刀には我々のスケールでは計り知れない財力と人脈があるのだ。
時実「小さくておろかな存在だからこそ、我々人間は常に努力をすべきではないのか!だからこそ、ここにその勇気ある第一歩を踏みしたのだ!今この瞬間に!私達が!
この時の時実博士には狂気を感じる。MX-A1の第二次プロジェクト=人間を超える存在の創造に取り憑かれてしまった時実博士は、それまでの温かい人間性を失ってしまったのだ。そんな時実博士についていけなくなった妻に実家に帰ると告げられた矢先、妻と娘をトラックに轢かれて亡くしてしまう。何もかも失ってしまった時実博士にブレーキは効かない。
ガンギブソン「なんだ今のは?お前さん、そっくりだったぞ!」
鳴海博士は時実博士の動きを察知して、それをフィルムに残してかおる達に知らせようとしていたが、帯刀によって捕らえられ、時実博士の帯刀改造手術を目前で見せつけられる。だが、隙を見て鳴海博士は脱出を図ったものの、追跡され、ビルゴルディの武器、ジャンデジックならぬゴールドデジックによって殺害される。また、駆けつけたジャンパーソンにビルゴルディは自身の装備ジャスティック、ロケットパンチで圧倒。さらにはニーキックミサイルを放つ。間一髪、ガンギブソンのガンボルバーとブローソンによって迎撃したものの、ビルゴルディはデュアルキャノンを放ち、そのまま姿を消す。ビルゴルディはジャンパーソンと同じ性能であるが、パワーも反応も上回っていたのだ。
ビルゴルディ、アールジーコの登場により、ついに「特捜ロボ ジャンパーソン」の役者は揃った。帯刀はビルゴルディになったことにより、帯刀の幼児的な部分は完全に失われ、これからは冷酷無慈悲な魔王として君臨していくことになる。
ゲスト
時実小五郎博士・・・森田順平
鳴海圭一博士・・・加藤佳男
時実の妻・・・吉左美聖子
" の娘・・・黒須麻耶